フランス ホームステイ生活 4 ”フランス国内旅行 日本からは行きにくい穴場スポット3選”

語学・海外情報

ニース、アヴィニョン、アルル、ストラスブール、レ島、マルセイユ、リヨン、、、

まだありますが、フランスの国内旅行で訪れた場所です。

今から30年以上前になりますが、私は、仕事の都合で、フランスに2年弱住んだことがあります。

現地で知り合った日本人の友人達と、一緒に色々な場所に旅行に行きました。

車を使えた為、日本からの普通の旅行ではなかなか行きくいと思える場所も、訪ねることが出来ました。

今日はそのうち特に印象に残ったお勧めスポット3カ所をご紹介します。

今フランスに住んでいて今度のお休みにどこに行こうかご検討中の方、もしくは、フランス好きで既に何度も旅行しており、ありきたりな観光地ではもう物足りないという方、等のご参考になればと思います。

レ島(”れとう”)

フランスの西岸に浮かぶ島で、島の名前が”レ”(”Île de Ré”)です。

ホームステイしていた頃の話ですが、11月の頭に語学学校が4連休になり、同じクラスの日本人の友人達と相談し、旅行をすることとしました。

皆、ホームステイを始めて以来しばらく食事が肉ばかりで、魚介類に飢えていた為、どこか海の幸が楽しめる場所に行こうということになり、ホームステイ先で相談したところ、レ島を勧められました。

住んでいたビシー市から、西に500キロ弱の西海岸沿いにラロシェルという都市があり、更にそこから3キロ程の沖合にあるそうで、海岸から島まで自動車用の連絡橋がかかっており、車で行けるとのこと。

あとで知ったのですが、連絡橋はこの2年程前に完成したばかりのようでした。

朝早くビシーを出発したのですが、ラロシェルに到着したのが夕方で、連絡橋を使ってレ島にわたったときは、辺りはすっかり暗くなっていました。

レ島にわたる連絡橋

旅行者用のインフォメーションセンターで港にほど近いリーズナブルなホテルを紹介してもらい、チェックインをしてから、街に出ました。

いい感じのレストランを選び、”Fruit de Mer” (直訳すると”海の果物”)というメニューを、名前に惹かれて注文すると、牡蠣をはじめとした生の貝類や茹でたエビなどを大皿に盛った料理が出てきて、皆で久しぶりの海鮮を大喜びしながら夢中でいただきました。

内陸にあるビシーでは、少なくとも当時は、生の魚介類は目にすることすらなかったですから。

またこのとき食べて感動したもうひとつのメニューが”Soupe de Poisson”(直訳すると”魚のスープ”)。

赤茶色の濃厚なスープで、見た感じでは具がほとんど入っていないようですが、口にしてみると恐らく何種類かの魚の身をすりつぶしたものが煮込まれているのがわかります。

そのまま口に運び、一口目は、正直言うと、生臭く感じて、失敗したと思ったんですが、こっちを見ていたウエイターがやってきて、食べ方を説明してくれました。

実はスープには、生ニンニクと、カリカリにトーストした薄いフランスパンのスライスが添えられていたんですが、パンをおろし金代わりにしてニンニクをおろし、そのパンをスープに沈めて食べるとのこと。

すると、ニンニクのお陰で最初の生臭さが嘘のように消えて、魚のうま味だけが引き立てられ、何とも言えないいい味になったんです。

のちにマルセイユで本場のブイヤベースを食べた時も、中国でフカヒレのスープを食べた時も、あの日の感動には及びませんでした。

翌朝、港町を散策し、久しぶりの海辺の景色を堪能しました。

あまり有名な観光スポットなどはありませんでしたが、至る所風光明媚という言葉がぴったりだし、海の幸は絶品だし、なかなか行きづらい場所ではありますが、機会があればぜひ一度訪問することをお勧めします。

アルルとその周辺

アルルは、ゴッホの「アルルの女」「跳ね橋」で有名ですが、フランス南部にある人口5万人ほどの小さな町です。

ビシーから南に400キロ、車で5時間ほどの場所で、到着したときは既に日が傾き始めていました。

ホテルにチェックインし、まずゴッホの絵のモデルになった有名な”跳ね橋”に向かいました。

ゴッホが描いた元の橋は、1930年にコンクリートの橋にかけ替えられたそうで、当時見られた(現在もですが)のは別の場所にかけ替えられたものだそうです。

カーナビなどという便利なものはない時代でしたが、有名な場所なので道路に案内看板があるだろうと甘く考え、ホテルで大体の方角だけ聞いて、地図も持たずに出かけた結果、わずか3キロほどの距離なのに、田舎道を30分くらいはさ迷ったような記憶があります。

何とか暗くならないうちに到着しましたが、とても観光名所とは思えない非常に寂しいところに、目当ての橋だけがぽつんとあり、自分たち以外は全く観光客などいませんでした。

周辺の景色が特に美しいということもなく、小さな木製の橋があるだけで、どうってことないと言えばどうってことありませんでしたが、迷わなければ市内から車で10分くらいの場所なので、どうせあの辺りに行くなら訪れるのも悪くないかと思います。

翌日、市内にあるローマ時代の遺跡の”円形闘技場”と”古代劇場”を見学した後(正直、”跳ね橋”より、これらの方がずっと見応えありました)、郊外の有名な観光名所である”ポンデュガール”(”Pont du Gard”)に向かいました。

アルルから北に30キロほど、小一時間はかかったかと思います。

”ポンデュガール”は、紀元前に建造された、峡谷を跨ぐ石造りの水道橋の遺跡で、その昔に水が流れていた最上層を歩いて見学できるようになっています。

最上層は地上から50メートルほどあるそうで、しかも日本だったら到底あり得ないと思いますが、手すりや柵が一切ついていない橋の上部に出れるようになっており、一応上がってみたものの、怖くて立ち上がることが出来ませんでした。

周囲に高い建物が全くないこともあり、上から見る景色もとても雄大で迫力がありましたが、紀元前に建造されたものであるのにもかかわらず、水を流すための勾配が、1キロあたりわずか24.8センチとのことで、2000年以上前にそれほど繊細な技術が存在したことにとても驚きました。

その後、今度は南に引き返し、アルルを通り越した先にある”カマルグ自然公園”(”Parc naturel regional de Camargue”)というところに向かいました。

地中海にかけて広大な湿原(約10万ヘクタール、日本最大の釧路湿原の5倍ほど)が広がっているエリアで、フラミンゴを筆頭に、様々な鳥類の飛来地として有名です。

それまで動物園でしか見たことのないフラミンゴが群れを成している様も壮観でしたが、青空の下、両サイドを湿原に挟まれどこまでも続く道路を運転していると、水面に空が映り込み、えもいわれぬ美しさだったことが思い出されます。

ただ、路面と水面の高さの違いがあまり大きくなく、空が映り込んだ水面の景色に幻惑される為、運転はちょっと怖かったです。

リヨンとポール・ボキューズ本店

リヨンはフランス中部の大都市で、ビシーからは東に約160キロの場所にあります。

市街地を含むと、人口は230万人ほどで、パリに次ぐフランス第二の都市だそうです。

ここには、有名なポール・ボキューズの本店があり、そこで食事するのがこの場所を訪ねた主な目的でした。

ポール・ボキューズは、2018年に91歳で亡くなった伝説的な三ツ星シェフで、有名な”スズキのパイ包み焼き”(食べたことはないんですが、漫画の”美味しんぼ”に出ていました)や、フランスの代表的なスイーツの一つである”クレームブリュレ”を考案したのもこの人だそうです。

リヨンに到着した時、レストランの予約時間まで少し余裕があったので、市内の有名な観光スポットである”リヨン大聖堂”を見学しました。

フランスは、国内のいたるところに聖堂があり(なんなら人口4万人の小都市であるビシーにもあります)、いずれも歴史ある石造りで、最初の内はいちいち感心していたものの、そのうち見慣れて、どうってことなくなってしまっていたのですが、このリヨンの大聖堂は、規模が大きく、バラ窓のステンドグラスも殊のほか立派で、とても感動したのを覚えています。

その後、市の中心部から10キロほどの場所にあるレストランに向かいました。

ミシュランの星付きレストランに行くのはこのときが初めてで、我々なぞは場違いかもしれないと少し緊張していましたが、駐車場に車を止めると、待ち構えていたかのように、気さくな雰囲気の若い男性店員が、わざわざ車まで出迎えに来てくれて、安心させてくれました。

奥まった個室のような席に案内されたので、店全体の様子はわからなかったものの、割と空いていたと思います。(駐車場の車もまばらでした。)

フルコースを注文し、食前酒にキール、食中酒には赤ワインを頼みました。

食事は、本当に素晴らしいの一言に尽きます。

この後、帰国するまでの間に、三ツ星レストランには2回行きましたが、あらゆる点でポール・ボキューズでの感動には及びませんでした。

前菜の前に、”amuse-bouche”(直訳すると”口の楽しみ”)という食前酒用のおつまみが出されたんですが、とてもおつまみというサイズではなく、それだけで小腹が満たされるくらいのたっぷりサイズ。

これから始まって、前菜もサラダもスープもメインも、食後のチーズまで、全てボリュームたっぷりで、味も最高でした。

食後のチーズも、普通は大皿から2種類選ぶものなんですが、この店では、2種類選んだ後に、「もっとどうぞ」とどんどん勧めてくれます。

最後にデザートまでついて、当時、会計は1人約2.5万円ほど。

料理は味が良くボリューム満点、ワインも絶品、サービス最高、で、食前酒もワインも含めてこの値段ですから、高級フレンチとしては破格のリーズナブルさだと思いました。

今はもっと高くなってるでしょうけどね。

ともあれ、幸せな1日でした。

まとめ

フランス国内の”日本からの普通の旅行ではちょっと行きにくい”行き先3選をご紹介しました。

半分くらいは、旅行というより、食べ物の紹介になってしまいましたけど。

ただ、食事って、旅先の大きな楽しみのひとつですよね。

少しマニアックな情報かとは思いますが、ご参考になれば幸いです。

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