フランスでの生活 3 ”フランスの「痛い」電気製品3選”

語学・海外情報

結構以前の話ですが、私は仕事の関係でフランスで2年弱暮らしていたことがあります。

このブログでは当時の暮らしぶりについていろいろとご紹介していますが、今日は、そのころ衝撃を受けたフランスの電気製品について感想を書いてみたいと思います。

予めお断りしておきますと、私はフランスに対して何ら悪意を持つものではなく、その文化、伝統、芸術作品、ブランドビジネス、等に高い敬意を払っています。

そうした中、これから述べる内容は、私が実体験した事実とは言え、フランスという国のひとつの側面を物語るに過ぎないことをご承知おきください。(冒頭から言い訳がましくてすみません。はは。)

ラジオ

フランスに着任して当初半年間は、語学習得のため、田舎町でホームステイをしながら語学学校に通う生活でした。

当時、インターネットはまだ普及しておらず、スマホはおろか、パソコンも存在していない時代でしたので、語学学習の為の音源は、有料の教材を除けば、テレビやラジオに頼ることになります。

ホームステイ先の家にはテレビがあるものの、居間にあるテレビを私が独占する訳にもいかず、ラジオを購入することとしました。

住んでいたのは小さな町で、ホームステイ先で教えてもらった町で唯一の電気屋さんは、家から歩いて30分もかかる場所にありました。

当時はまだユーロに変る前の”フラン”がフランスの通貨で、確か200フラン前後、日本円にして4000~5000円程を支払い、ぶっきらぼうな店主からAM放送だけ聞ける単機能のラジオを購入しました。

日本ならこの半額くらい出せばそこそこの品が買えた頃で、高いなと感じたのを覚えています。

とはいえ、これでいつでも自室でフランス語を聞けるようになったと喜び勇んで部屋に持ち帰り、さっそく電源スイッチを入れたものの、全く反応がありません。

電池が入っていないのかと思い、本体を持ち上げた瞬間、電源がオンになり、たぶんニュース番組か何かだったと思いますが、音声が流れ始めました。

唖然としましたが、どうやら接触不良としか思えません。

中古品ではなく、新品ですよ!

現在、日本人の常識からして、新品の家電製品が買った日から故障するなんてほぼあり得ないと思いますが、それは当時でも同じです。

ラジオはその後も電源がついたり消えたりを繰り返し、しばらくいじっている内に、電源スイッチを上から指で押しておくと電源オンの状態が保たれることがわかりました。

店に持って行って交換してもらうことも考えましたが、30分歩いてあのぶっきらぼうな店主と交渉する気力が起きず、その後も日本に帰国するまで電源スイッチを押えながら使っていました

語学学校の日本人クラスメートに電子部品メーカーの社員がいて、彼がよく言っていたのですが、フランスは自国の脆弱な電気産業の保護のために電気製品の輸入に対し高い関税をかけている、と。

このラジオを買って、彼の言っていた意味がよくわかりました。

確かにそうでもしないと、この国の電機産業はとてももたないと思いました。

エレベーター

これはホームステイ期間が終わり、パリに引っ越し、仕事をはじめてからの話です。

私が働いていたオフィスは、パリの中心部、サントノーレ通りという場所にありました。

ルーブル美術館やエリゼ宮(大統領官邸)などにもほど近く、オフィス街というより、ブランドショップなどの方が多いおしゃれエリアです。

というと聞こえはいいのですが、会社が入っていたビルは、確か6階建ての、一体いつ建てられたのかわからないほどの古い石造りの建築で、実用性の点ではいいところはほとんどなかったと思います。

一番記憶に残っているのがエレベーターで、どう見ても、建築当初にはなかったものを、無理やり後付けしたものでした。

建物の入口を入ってすぐのところに大理石でできた螺旋状の階段があるのですが、このエレベーターは、その螺旋階段の中央の吹き抜けの空間に設置されているのです。

狭い空間に無理に作っているので、収容人員はわずかに3名、また箱は細長い長方形で、人ひとり分の幅しかない為、奥の人が降りようと思うと、手前の人がいったん箱の外に出なければなりません。

ただこのエレベーターの一番の問題はそこではなく、行先階の指示をひとつしか記憶できないことです。

どういうことかというと、例えば、1階で乗って3階のボタンを押したとしても、その後に2階で乗りこんできた人が5階のボタンを押すと、3階で止まらないといけないことを忘れて、5階まで行ってしまう、つまり、一番最後の指示しか認識してくれないのです。

故障だったのか、それとも最初からそのように設計されていたのかは、いまだに不明です。

ともあれ、働いていたオフィスは6階にあったのですが、ほとんどの場合、階段を使っていました。

パリのカフェやレストランでは、客が混んでいるときに注文すると、注文を受けたウエーターが厨房に戻るまでの間に別の客に声をかけられないか、注意して見ていたものです。

何となれば、後で別の客の注文を受けると、先に受けたこちらの注文を忘れてしまうことが少なくないからです。

このエレベーターの話を、日本人の友人にすると、「ああ、カフェの店員と同じだね。」という返事が返ってきたものです。

自動車

自動車そのものを電気製品とは言いませんが、自動車部品には多くの電気製品が使われています。

これもパリに引っ越した後の話で、友人と2人でレンタカーを借りて確か1-2泊程度の小旅行をしたときのことだったと思います。

その日の観光を終え、日も暮れてから宿泊地に向かって車を走らせていた時、ふいにダッシュボードの計器類の照明が消えたのです。

経験したことのある人はそんなに多くないのではないかと思いますが、街灯もまばらな夜道で、自分が時速何キロで運転しているかわからないというのは、相当な恐怖です。

フランスは市街地以外では一般道でも制限時速が80キロという場所が多く、またラテンの血がなせる業か、その制限を大きく超えて運転する人が少なくありません。

恐る恐る70-80キロくらいかな、という感じで走らせていると、後続車が猛烈な勢いで接近しては追い抜いていきます。

生きた心地がしませんでした。

私の好きなユーチューバーに、電気自動車の紹介や実際に電気自動車で長距離ドライブをして性能を試す動画を多数アップしている「チラカーライフ」さんという方がいて、この方がフランス車の「あるある」を愛をもってディスっている動画(”本当にあったヤバすぎる故障『20選』”)があります。

必ずしもご自身が直接経験されたものだけではないようですが、代表的な故障として、”ナビの言語設定が勝手にフランス語に変る”、”窓が勝手に開く”、”スマートキーが反応しない”等、日本車しか知らない人には俄かには信じ難いであろう内容の数々が紹介されています。

ただ、私にとっては、「さもありなん」という感じです。

チラカーライフさんは、そうした認識にもかかわらず、9台のフランス車を乗り継いでおられるとのことなので、フランス車には、一方で、何か何物にも代えがたい魅力があるのかもしれません。

まとめ

フランスのちょっと痛い電気製品を3つご紹介しました。

色々書いてきましたが、冒頭に書いた通り、私はフランスやフランス人全般に対し、格段の悪意は持っていません。

フランスでの生活は素敵な思い出にあふれていますし。

ですが、今後もフランス製の電気製品や自動車などを購入することはないと思います。

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